ダイアリー2003
3月21日s
戦争が始まってしまった。あちこちで反戦デモが起こっている、といっても危機感があまりないのか、一部お祭り騒ぎのようになってしまっているところもある。
人間とはそもそも戦争をせずにはいられない生き物なのだろうか。闘争本能というのはあるだろうが、それは必ずしもネガティブなものではないと思う。よい意味での競争は向上心を高めるし、負けず嫌い、というのも闘争心が働いているのであろう。でも闘争本能ゆえに戦争があるという考えは否定したい。
1000年後にも戦争はあるだろうか、という質問を何人かの人に投げかけているのだけれど「ある」いう答えが返ってくるのも悲しい。それは人間がいるところ戦争はなくならないということなのだろうか。 あえて私は「ない」と答えたい、おめでたいと言われようとね。2月27日
もう2月も明日でおしまい。穏やかな気候ははや春の気配。日本はとっくに立春過ぎてるもんね。幼稚園に子供を迎えに行ったあと寒い頃は直行で帰ってたけど、最近は公園に寄ったりする。 今日も公園で子供を遊ばせてたら、好奇心たっぷりといった感じの小学生の女の子が話しかけてきた。
「中国人?」
「違うよ。」
「じゃあ日本人?」
「そう。」
「わー!私ね、日本の映画でとっても好きなのあるの。」
「MANGAかな?」
「ううん。えーっとね、作者は忘れちゃったけど、プリンセスモノノケとか作った人。」
もののけ姫のことだ。「ううん」ということはこれは日本のものでもMANGAではないわけか。こちらでは日本製の漫画やアニメを他のアニメや欧米の漫画と区別してMANGAと呼ぶ。
「ああ、ハヤオミヤザキね。ヴォヤージュ・ド・チヒロ(千と千尋)とか?」
「うん、トトロもすきだし、ラピュタももう2回見たの。」
ラピュタはこちらでは公開されたばかり。
「日本っていーっぱい島が集まったとこでしょ?小さいところにいっぱい人が住んでるよね。家もちっちゃいんでしょ。」
小学生なのによく知ってるね。大人でもアジアなんてみーんないっしょくたにしてる人も多いけど。宮崎アニメの威力かな?でも私が小学生の頃、海外名作シリーズみたいなので欧米の童話とかは読んでたもののアメリカもフランスもイギリスもごっちゃにしてたわ。おそらくこの子の親とか、身近な人で親日家がいるのかな?
2月10日
今週来週とパリの幼稚園・学校は冬休み。こちらは2ヶ月ごとに2週間の休みが入る。休み多いなー。子供と一緒にいられてうれしい!と思わなきゃね。でもこっちは仕事だ。2月5日
水曜日か週末は実家に電話することが多い。こちらは水曜日は学校や幼稚園が休みなので、実家の母に孫の声を聞かせるためでもあある。
さて実家からの耳寄りなニュースは11月にうちの裏に突如として現れたアライグマがまた最近 やってきたということだ。近所にに出没しているらしい、というのはちょっと前に人から聞いていた。人なつっこくちょこんと前足を手のように胸のところに合わせて立ったような格好でポーズするのが可愛らしいと近所でも評判らしい。母は何かやりたくてたまらないが、日頃から母が外猫に食べ物を与えているのをよく思っていないオジサンがいてできないとのこと。うちの親戚筋にあたる人で以前はうちとの関係はよかったのだが、実は前々からそれらの外猫が車の上で昼寝なんかするのを快く思っていなかったらしい。そして去年の秋、そのうちの1匹がそのオジサンの家に入り込んで子供を産んでしまったものだから、さすがに堪忍袋の緒が切れ母に怒鳴り込み、それで母はひどく落ち込んでしまった。まあ、動物嫌いの人からすると無理もないことかもしれない。オジサンはそれ以来目を光らせているので、あまりおおっぴらに猫たちにごはんをやることができなくなってしまった。それでもスキを見て与えているらしいが、さすがにアライグマにまで食べ物をやっているとこを見られたりしたら・・と恐れている。でもこのアライグマくんポーズを取りながら、あちこちで食べ物をもらっているようだから心配する必要はなさそう。なかなか世渡り上手じゃないですか。1月30日
仕事を終え、子供を迎えに父親の両親宅へ行くためN駅で降りたときのことである。私の前を13,4歳ぐらいの男の子が体を揺らしながら歩いていた。まだ止まっている列車のドアの内側にある折りたたみ席に、若い女性が大きめのカバンを膝に乗せて座っているのを見つけるのと同時に、そのカバンをサッと奪って連れの男の子と駈け出した。突然の行動というのは、はたで見てても一瞬何が起こったかとっさにわからないものだ。しかし彼女の反応は早かった。すぐに飛び出し、彼らの後を追いかける。なぜか私も一緒に追いかけている、周りの人も一緒に走っている。午後8時過ぎの駅はまだ賑やかで、叫べば前方にも人は大勢いるからすぐ捕まりそうなものなのに、彼女は必死のあまり叫ぶのを忘れているのか、まだ年端もいかない少年たちを思いやってか、無言で追いかけていく。「ドロボー!」が抵抗あるのなら、「私のバッグ〜!」とか何とか叫ばないのかな、これでは前方の人は引ったくりなんてわからないから、誰かが走ってくるなと反射的に道をあけるだけだ。ダダダダ(逃げる方と追いかける方)ザザザザ(よける方)。代わりに私が「その子たちを捕まえて!」なんて叫んであげたいとは思いつつも、私も子供を連れてこの界隈を歩くことが多いので、顔を覚えられて仕返しなんかされると嫌だし、とやはり自分たちのことを考えてしまう。
少し遅れて出口を出るとあたりは普段と全く同じ様子で、騒ぎも野次馬らしき人もない。捕まったという感じではなさそうだな、では逃げ切ったのか、まだ追っかけっこは続いているのか。
駅を出てしばらくすると向かいからさっきのバッグを取られた女性が憮然とした様子ながらも、何事もなかったかのようにちゃんとバッグを肩にかけて駅の方へ足早に歩いていった。あ、無事 取り戻したんだ。しばらく行くと前方に見覚えのあるスタジャンを着た少年2人。さっきの引ったくり坊主たちだ。これまた何事もなかったかのように角の大きな市営アパート風の建物に入っていった。
パリにいるとよくこういった場面を目撃するのだ。自分が被害にあった話はそのうちジャーナルに書きます。
1月15日
今年初のダイアリー。新年の挨拶には遅すぎますね。では新成人の皆様おめでとうございます、かな?成人式も今では1月15日ではなくなったようだから、これもあまりタイムリーでないかな。
12月からずっと暖冬で妙に暖かかったと思ったら、1月に入って急に冷え込み一時は最低気温で−11℃最高で−4℃なんていう日もあったけど、やっとここ2,3日普通の冬の寒さに落ち着いてきた。でもマイナスになると感覚が麻痺するのか、もう−2℃といわれようが−10℃といわれようがちょっとだけ外歩く分には同じように感じる。足がしびれる、耳が痛い。
いま、ホームページリニューアル準備中で、暇を見つけてはインデックスのページ作っていて真冬の絵柄なんだけど、なかなか完成しない。今月中にアップしなくては。2月になると雑誌もお店も春のよそおいになるのよね。
さて、先週から各店一斉にソルド(バーゲン)が始まった。仕事の合間にバーゲンに走っているのだけれど、いつも探しているのがウール黒のタートルネック、ハイネックのセーター。昔から定番で持ってるもののなんかいつもいつもハズレる。最近通販で買ったのはかなりゆったりめのサイズでひと昔風、どのスカートパンツにも合わない。もう一つは日本で買ってきたものだけどやたら毛玉ができ、モサモサ状態。しょっちゅう毛玉取りかけている。今どきこんなに毛玉ができるものを製造するんじゃない!なんて怒ってみたり。
で、ソルドでいいものはないかと思ってさがしてみると、黒のものは多いんだがこれがちょっと変形デザインだったり、アクリル、レーヨンなど化繊がほとんどのものだったり。レーヨン・ポリエステル混のは前に買ったけど、手に負えないほど表面が荒れたのでパス。フランスって化繊が多いんだな、特に量販店は。結局ウールがいつもおいてあるのは日本でもおなじみのベネトンとGAP なので最近はここらでよく買う。聞いてみると黒タートルは定番なので値下げしないということがわかった。でも定価のコーナーにも見あたらないなあ。黒ウールのぴったりめのタートル、そんなに難しい注文じゃないと思うけど何でこんなにないのだ?
それにしても今のデザインって襟や合わせ目がびらびらしてたりだらんとしていたりするのが多く、何か安っぽい。まあ、安いお店ばっかみてるせいもあるけど。