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フランスの畑の90%が死んでいる!

 先日ワイン生産者のニコラ・ジョリィと、土壌学者のブルギニョン夫妻の講演会に出席しました。ニコラ・ジョリィはバイオダイナミック(Biodynamie)農法により、クーレ・ドゥ・セランという世界10大白ワインの一つに数えられるワインを作っています。自然派ワインの世界では有名な存在であり、かのルロワ・ビズー女史(父親がロマネ・コンティの共同経営者で、父について小さい時からティスターとして素晴らしい才能を発揮し、1988年にブドウ作りから始めた彼女のワインは最高の評価を得ている)も、自分でBiodynamieを始めるために彼に師事しました。
 始めにブルギニョン夫妻が、多くのスライドを使いながら、フランスのブドウ畑の現況を解説してくれました。これが驚くべき内容だったのです。夫妻は長年に渡って、フランスを中心にブドウ畑の土壌の研究に励んできました。その結果、現在フランスの土地は、農薬や化学肥料、除草剤等の乱用により90%が死んでいるというのです。
 化学薬品を使った畑とそれを使用しない畑(BiologieやBiodynamie)とでは、根の伸び方が全く違っていました。前者は根が細く、短くしか伸びていませんでしたが、後者の根は非常に長く伸び、しかも横にも網状に根が張り巡らされているのです。「百聞は一見にしかず」というのは、正にこのことです。どうみても、化学薬品を使った葡萄樹は「病気」としか見えません。その「病気」を治そうとして、さらに多くの薬品を使うために、「病状」は悪化するのです。
 そのせいで、土中に存在する無数の微生物も死に絶えます。死んだ畑で葡萄を栽培するために、さらにどんどん人工的薬品を加え……恐ろしい悪循環により、土はまるでコンクリートのようになってしまいます。ここからはもう何も生まれてきません。そこから生まれるワインは「自然の恵み」とはかけ離れた物になっています。
 しかし、どうしてこのような状況が生まれ、また放置しておかれるのでしょうか。ブルギニョン氏は語ってくれました。悪いのは巨大な化学薬品会社だと。自社製品を売るためには、恐ろしい現状を知られては困るのです。実際氏は、フランスの高校の醸造学科で教えていた時に、畑の実情について語ることを禁じられたという事です。会社からの圧力です。
 私たちは現実を知る権利がありますし、知らなくてはいけません。信じられないほどの偶然の確率で生まれた、この生命あふれる(今の所)貴重な地球を、私たちが破滅させて良いはずがありません。ワインを通して色々なものが見えてきます。素晴らしいワインを飲むために、一人一人が真剣に考える必要があるようです。
 



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