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旅行記 蜜蜂編 その2 12日〜14日

 今日は土曜日。朝窓を開けると、相変わらずギャヴ(谷川)がゴーゴー唸りを上げています。雪が残る山が遠くに見え、とにかく清々しい…… こんなに気持ちの良い朝は久し振りです。

 お昼も近くなり、のそのそと外出。まずブティックを覗きましたが、蜜蜂の勉強をしに来た子供達で店内はてんやわんや。また午後に来る事にし、町を探索。



 一世紀以上前から療養地として栄えた町なので、古い変わった建物が結構残っています。


 昼食を済ませ再びブティックへ行き、先程子供達も見ていた、養蜂の説明とプロポリスを製品化する様子を撮ったビデオを見せてもらいました。私の中にある、たくさんの「?マーク」が少しずつ消えて行きました。

 コトゥレに来て3日目の日曜日。とても良い天気になり、気温も上がってきました。ブティックは休みですが、窓にあるミニ養蜂箱の出入り口を観察すると、働き蜂が出たり入ったり大忙しの様子です。きっと、花蜜と花粉を運んでいるのでしょう。彼女等にもようやく春が訪れたのですね。これで一安心。
 実は私も嬉しい事があります。いよいよ明日、現在養蜂箱を設置してあるLahitte Toupière[ライットゥ・トゥピエール]という所に連れて行ってもらえる事になったのです。

 月曜日。ブティックは今日もお休みですが、ダニエルが車で迎えに来てくれました。山を下りまずルルドへ。奇蹟を起こす事で有名な水の湧く洞窟へ行き、水を2リットルほど戴きました。洞窟の「気」はとても強く、近付くにつれ頭は重く、手はビリビリしてくるのを感じます。
 後日、ド近眼の我が夫曰く「あの後しばらく目がスッキリ良く見えていた」と。

 さて、目的地までは更に50km内陸の方に走らなくてはなりません。早々にルルドを後にし、小さな町や村をいくつも通り抜け、ようやく昼過ぎに到着したライットゥ・トゥピエールは何もない小さな村です。コトゥレよりずっと暖かく、気候の違いが感じられます。

 ここにはバロ・フリュランの事務所、研究室、製造所、その他の作業室があります。この日はとてもデリケートな仕事の最中だった為、製造所への入室は許されませんでしたが、庭から様子が伺えます。ガラス張りで明るく気持ちの良さそうな仕事場です。
 巣板や養蜂箱を作る作業室では、巣板の作り方を教えてもらいました。木の枠に蜂蝋で作った薄い板を張るだけの簡素な物です。その他、まだ何の処理もしていないプロポリス(写真)を見たり、始めて見る物ばかりです。


 そしていよいよ……

 真っ白い宇宙服? を着て車に乗り込み、10分程走ると林に到着。養蜂箱が並んでいるのが見えます。
 帽子をかぶり黒い網で頭をすっぽり覆い、宇宙服? との間に隙間がないかカトリーヌに点検してもらい、注意事項を聞き、準備完了。

*箱の前方、出入口を歩いてはいけない。
*大声で話さない。大きな音をたてない。
 私達の他に、新入社員も一人一緒に来たので、総勢5人。本当は養蜂箱の回りに人が大勢いるのは、好ましい事ではないそうです。

 フィリップは一足先に来て、仕事を始めていました。今日は春の健康診断。



 私達は息を殺し、抜き足差し足忍び足。
 蜂達はフィリップとカトリーヌの声や姿を覚えているそうです。信頼関係。だから肘まで出して平気で作業ができるのです。

 次の箱に移ります。私達は静かに大移動。まず、コーヒーポットにふいごが付いたような道具に、その辺にある枯草を入れ、火を着け、煙をファッファッと吹き込みます。蜂に麻酔でもかけるのかと思いきや、「これから巣を見させてもらいますよ」と合図をしているだけなのだ、という事でした。


 蜂がたくさんくっついたままの巣板を取り出しました。…と突然、カトリーヌがその巣板を私に持たせてくれたのです。勿論素手で。



カトリーヌが私の事を「蜂と仲良くできる人間だ」と判断したから持たせてくれたのだ、と後で説明してくれました。突然巣板を渡された私は、心の中で「コンニチハ。コンニチハ。」と挨拶していました。(私が持っている写真はありません。)

 実は、私以外の二人はずっと手をポケットに突っ込んだままだったのです。
 さて、どうして白い作業着なのか… についてです。蜜蜂の天敵はクマやネズミなど皆黒っぽいものです。もし黒っぽい物を着れば敵だと思われてしまいます。「私達は敵ではないですよ、安心してね」という事で白を着るのだそうです。
 そこで私は、いる筈もないのに「白熊だったらどうでしょう」と尋ねたところ、「毛皮自体を嫌がるので白でもダメです。セーター等の毛羽立った衣類も着て来てはいけません。」との事でした。黒い網は、クマの毛皮のような髪の毛をカモフラージュする為だったのです。

 また、次の箱に移ります。巣板を何枚か見て一言「この巣は病気にやられています」。
 即、焼却すると言う事でした。

 蜂が一匹しつこくついて来ます。挨拶に来てくれたのかな、と思ったのですが(そんな訳ないか)、その時、カトリーヌが「蜂がいやがり始めたのでそろそろ帰りましょう」と言いました。そうだったのですね。
 心の中で「オジャマシマシタ。アリガトウ。」とお礼を言いながら、養蜂箱から離れました。


 少し遠くからもう一度ゆっくり眺めると、「そういえば、養蜂箱には平屋と二階建てがあるけれど、どうして……」また「?マーク」が出現したのでした。


つづく



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